私がこんな人生に、迷い込んでしまったのは、きっとこの日からだったんだ。

森に迷うなんて思ってもなかった。
誰一人迷ったことのない、小さな森。
そんな森に迷う私はバカ。

理由はそう、私のつまらない思いと、趣味から。

「ちょっと~、チロルまだ~」

「少しは黙ってられないの!?あか!
 それに、なんで鳥居さんのことをチロルっていうのよ!」

「だって~、鳥居千留だから、チロルでいいじゃん~。」

二人とも、喧嘩するほど仲がいいってやつ?

あ、紹介するね。

ぶりっこなのが、城崎茜。通称あか。

しっかり者で、学級委員を努める、片倉真由子。通称まゆこ。
でも、私はまゆこちゃんって呼んでる。だって、怖いもん。

ちなみに、あかは私の、幼稚園からの幼なじみ。


って、問題はそこじゃない!



          ー三時間前ー

「ちょっと鳥居さん!」

ま、まゆこちゃん。何事?

「私達を占ってほしいんだけど~。」

あかまで、何で急に・・・

「だって~、真也くんは~、絶対あかのことが好きなのに~、
 まゆこってば~真也くんが自分のことが好きだって思ってるんだよ~。
 おかしいよね~。」

おかしいのはあかの方!
というか、どっちもどっち。

「そんな事どうでもいいわ!早く占って!
 あなた占い好きだから何か知ってるでしょ?」

あ、相変わらずビックリマークが多い。

「ズベコベ言わずさっさっとする!」

ちょっと待ってよ、何も準備してないのにムリムリ!
そ、そうだ、最近見つけた占いがあるんだけど、それにしない?

「そうね。新しいものの方がいいわ。今日の放課後はどう?」

えっ、でも・・・

「いいじゃん~。どうせ暇でしょ~。じゃ~決まりね~」

どうせって、て言うか勝手に決めるな!