ポロポロと落ちる涙。


今度は嬉し泣き。



彼は笑いながら、私を静かに抱きしめると、戸惑いながら言う。




「俺と、結婚してくれませんか?」


「........」


「俺は患者が大事だし、出来るだけ多くの命を救いたいと思ってる。


だから、また今日みたいなこと、するかも知れない。


いや、きっとする。

でも俺は、お前がいないと駄目って分ったから。


今日、再度確認できたから...


だから、俺と、
一緒に生きてくれませんか?」




生きてくれませんか?って

なんとも医者らしい言葉だと思ってしまった。



今、生きてるのは彼のおかげ。



あながち、その言葉も間違っていないみたいだ。




「私でいい?

私、なんも無いよ?

平凡中の平凡さんだよ?」


「....そうだな。

でも平凡だから、俺の職業を理解してくれてたんだと思う」



「そうなのかな?」



「そう。


だからさ.....