「いらないから...持って帰って」




そう言われた一言は、胸にグサリと刺さって、取れない。




別れたくない、今も好き。




そう思ってるし、言いたいのに、意地っ張りな私は言えない。




「いらないよ、私だって...」


「........」



「いらない」


「ほんとに、そう思ってる?」




そう言われて顔を上げると、意地悪く笑った顔が見えた。



一瞬にして、真っ暗に近い状態になったケド。




「ふっ....はッ....やぁ...」




いきなり顎を掴まれて、深く熱いキス。


彼の舌が、妖しい音を立てながら、私の口内で動き回る。



いつの間にか、私の腰には彼の手が回っていて、私の手から箱と指輪が消える。




「やぁ..だ...」


「や、じゃない」




逃げようと後ろに下がっていくと、彼の作戦にまんまと嵌った。