初対面に怒られて、二十歳超えてもファーストキスだったのに簡単に取られて、散々だった。
彼への印象は、カッコいいとかじゃなくて『大ッ嫌い』だった。
でも、友人がたまたま入院して、その担当医が彼だった。
最初はお互いに『ゲッ』って声を揃えて驚いて。
でも友人に接する彼は、誰がなんと言おうと医者だった。
患者には熱心で、患者からの人気も根強くて。
私は“こんな先生”に助けられたんだ。って素直に思った。
それからだと思う。
私の彼を見る目が、恋に変わったのは。
そんな視線に気づいてか、知らずか、彼から告白された。
それからずっと、医者である彼を
.....好きでい続けた。
きっとそれは、ずっと変わらない。
「じゃあ、お元気で」
鞄を持ち上げた瞬間『忘れ物』と、私に言う。
私は思いつく忘れ物が無くて、首をかしげた。
彼は、机の下から紺色の箱を取り出すと、私に向かって投げた。
私は鞄を置いて、ソレを受け取る。

