私の彼は医者です【短】


これ以上いたら、きっと私は駄目になる。



不満が爆発して、嫌いになる前に...


好きなまま、お別れさせて....




「イヤだ!!」



「は?」



「もう話すことなんて無い!!

看護師さんとでも、ご飯食べに行けばいいじゃない!!


もう無理、我慢の限界。

患者さんが大事なのは分ってるよ、理解してるよ。



でも...無理だよ...



私だけ分んなきゃいけないこと、理解しなきゃいけない事が多すぎるよ!!



どんなに楽しみにしても、結果がこうなんじゃ、もう無理だよ....」



「....話はそれだけ?」




冷たく言われたその一言に、涙を流さずにはいられなかった。



右腕は掴まれたままで、離してくれる気配は無い。



ボロボロと泣きながら振り払おうとすると、また強い力で掴まれた。



私には目を向けず、大通りまで歩く彼。



腕を掴まれている私も、自然的に彼に着いて行く形になる。



彼は大通りでタクシーを捉まえると、私を押し込んだ。