ってか、仮にも同じ職場の人なのに、そんな扱いしていいの?



口に出して聞いたら、めんどくさそうだから止めたけど。



不機嫌過ぎる彼は、私との距離を腕一本分ほどにすると、強い力で私の右腕を掴む。




「痛ぃ...」




そんな言葉が出ちゃうほど、強い力。



彼はチラッと私を見ると、少しだけ力を弱くした。




「身体、冷え切ってる。

何時からココにいた?
何で、ココにいる?」




冷たい視線なのに、掴まれた右手は熱い。



熱を持って、私の決心を鈍らせる。



でも、いつも辛いのは私。


いつも待ってるのは、私なんだよ?




もう私ばっか分かるのが、理解するのが...耐えられない。





「さ、さよならしに来たの

あ...合鍵も返そうと思って」



「は?

何だよソレ....
いきなり過ぎるだろう?

あっちで話そう」