冬が過ぎ春を迎えては過ぎていき。
大嫌いな梅雨の季節を迎えた。


「蒸し蒸しするて!!」


生暖かい空気に、朝から苛立ちを隠せない。
授業中も「暑い」とか「蒸される」などを叫んでいた。


「拓、お前1分でいいから黙れ」


力也は呆れた目で俺を見た。


…あれから、ハルナちゃんは力也に話しかけるようになった。
今では、もう普通に話せる仲になっている。

学校が終わり、いつも通り力也の家に向かう。


「俺、コンビニ寄るわ」


途中、ジュースを買うため俺はコンビニの方に歩きだした。


「待って、私も行く」


後ろから駆け寄ってきた、ルイ。


「いいやろ?」


許可がいるとかないけど…。
いいやろと聞かれたら、言いたくなる。


「無理じゃよ」


「なにが無理やねん」


ルイは呆れながらも俺の隣を歩く。