すると、力也は焼く手をとめて俺に耳打ちした。
「っな!!!」
俺が戸惑うのを見て力也は笑った。
「ナナミちゃんに集中してるからやん」力也はそう言ってきた。
午前の部が終わり、力也はホッと一息つく。
「やっと終わった!!」
「お前は見てただけやろ」
午後の部は、俺らは他のクラスをまわれる。
初めに隣のクラスの催しを訪れた。
「あっ、力也くんやぁ」
教室に入ると、九条が俺らに近づいてきた。
「めっちゃ駄菓子あるな」
力也の言う通り。
数えきれないくらいの駄菓子が並んでいる。
「これ、儲けてん?」
ケラケラ笑いながら言う。
すると、九条は大げさなくらいに驚いた素振りを見せた。
「あっ、尾上くんやん」
今気づいた、というかのような態度。


