「あぁっ、お前マジでへたくそ」


九条は思ったより不器用だった。
たこ焼き、形汚い…。


「…まぁ、食うたら一緒一緒!」


俺は一応、フォローする。
でも、九条は納得いかないのか再チャレンジを始めた。


「拓馬くん。ナナミにも焼いてぇ」


ナナミちゃんは俺の隣に腰をおろす。


「ちょっと、見て! これうまくない?」


九条はうまく出来たのか、俺の肩をたたく。
「分かった、分かった」と呆れて見てみると、さっきよりも、さまになった形のたこ焼き。


「まぁ、ええんちゃう?」


「もっと褒めてよっ」


九条は頬を膨らませた。


「ナナミちゃんも食う?」


俺は隣に来たナナミちゃんに声をかける。
だが、ナナミちゃんは何も言わない。
顔を覗きこむように見ると、ナナミちゃんは俺から目を逸らした。