それから、いろんな話をした。
そこで知ったこと。
あの女は゛九条ルイ゛というらしい。
今まで嫌なやつとしか見てなかったけど、俺は見る目を変えた。
「えっ、何の2ショット!?」
チャイムが鳴り、力也が屋上に現れた。
俺が九条といるのを見て、驚いたのだろう。
…そりゃ、そうやわな。
前まで゛嫌なやつ゛とか言ってたんやから。
「まぁ、ちょっとな」
説明するのがめんどくさくて、俺は適当に返事した。
だが、納得いかない力也は今度は九条に問いかけている。
「さっき、助けてくれたねん」
「拓馬が!?」
力也は興味津々に話を聞いている。
俺は聞いてないふりをして、たばこに火をつけた。
「…ふーん。なるほどな」
力也は説明を聞いて納得したのか、静かになった。
ほんま、タイミング悪いわ。


