いきなり、何を言いだすかと思えば。 俺が答える前に、あの女は話を続けた。 「さっきの人、私の゛顔゛が好きって。 そういうの、嫌やねんかぁ」 そのとき、俺は思った。 …こいつは俺と一緒やって。 「俺とは仲間」 第一印象は、最悪やった。 でも、それは初めだけで。 …今は、どんどん親近感がわいてきた。 「えっ?」 あの女は、驚いた様子で俺を見る。 「考え方、俺と似てる」 「尾上くんも、一緒なん?」 俺はうんと頷いた。