男は顔を青ざめながらも、必死に口を開く。
「あ、あんま調子乗んなよ。
ほ…んまに喧嘩、強いんけ?」
こういうの、ほんま嫌い。
ハジメくんに悪いやろが。
俺は、ハジメくんの゛名前゛で売ってるみたいなるやんけ。
「はぁっ…。 ちなみに、どこに惚れたん?」
俺は、ため息まじりに聞く。
「か、顔じゃよ。かわいい顔」
結局、顔かよ。
「っほんま、どいつもこいつもやな。
…こういうのおるから、嫌なんすわ」
俺は、男があの女を掴んでいる腕を強く握る。
男の顔は、青ざめた顔から痛みを我慢する顔へと変化した。
「す、す、すいません!!!」
男は、あの女を掴んでいた腕を放す。
だが、俺自身は男から腕を放さない。
「だてに、次の2番手、任されてないんじゃ」
最後にもう一度、力強く握って腕を放した。
男は泣きながら謝って、階段をおりていった。
なんやねん、弱すぎる。
あんなんで、よぅ告白出来たな。


