俺には関係ないと思い、通りすぎようとした。
だが、その前に目の前の2人に変化が起きた。
「っ放してください!!」
「じゃあ、付き合って」
男は、あの女の腕を掴んで放さない。
痛がるあの女を無視して、男は必死に言い寄っている。
俺は、はぁっとため息をついた。
「嫌がってますよ、先輩」
この状況を見て、無視して通りすぎるなど出来ない。
俺は呆れた口調で話しかけた。
「はぁ!? お前に関係ないやんけ」
男は俺の声に気づいて振り返る。
その瞬間、男の顔は一気に青ざめていった。
「お前、ハジメの…」
ハジメくんは、俺の通う南中学校を仕切っている。
多分、俺がハジメくんと仲良いからビビったんやと思う。
決して、゛俺゛にビビってるわけちゃう。


