あの男は、一体何者なんやろ。
でも、手繋いでたし…彼氏やろうな。
「知り合い?」
龍は不思議そうに俺を見る。
ナナミちゃん、彼氏できたんやな。
「全然。 てか、暑いし早く帰ろや」
俺は龍を置いて、スタスタと先に歩きだした。
「おかえり」
部屋に入った瞬間、力也と入れ違いになる。
「えっ、なんかあったん?」
無視して中に入る俺を、力也は驚いた様子で見ている。
「拓馬くん、急に早く歩きだしたんすよ」
龍は簡単に説明してから、部屋に入った。
俺はポケットから、たばこを取りだす。
なんやろな、この感じ。
まぁ…俺が相手せんかったからやろ。
別に俺は、好きじゃなかったし。


