何も答えない俺。
ナナミちゃんはもう一番、俺の名前を呼んだ。


「拓馬くん…。 ナナミやったら、あかん?」


ナナミちゃんは立ち上がり、俺の前にしゃがみこんだ。
ゆっくりと、ナナミちゃんの右手が俺の手の上に重なる。


「拓馬くん…」


ナナミちゃんの左手が、俺の頬に触れた。


…好きか、嫌いか。
どっちかと言うと好きやけど。


「ナナミのこと…拒む?」


2人の距離が近づいていく。
拒む理由が見つからず…ゆっくりと、唇が重なり合った。