ナナミちゃんは首を縦に振った。


「…入る?」


帰れとは言えんし…。


「ええの?」


俺は頷くと、扉を大きく開いて中に入れた。
部屋に行き、ナナミちゃんは壁にもたれて座る。
俺は反対側のベッドにもたれて座った。


「俺に、何か用あったんやんなぁ」


「…用っていうか」


ナナミちゃんはためらう。
俺のこと、探してたんやんな?


「昨日。…おらんかったから」


俺が先に帰ったことを言ってるのだろう。