玄関の穴から相手を確認すると…。 「っナナミちゃん」 俺は急いで額の熱冷ましシートを外す。 そして、玄関を開けた。 「えっ……」 ナナミちゃんは俺を見て、驚いている。 俺、なんか変? 熱冷ましシートは、外したで? 「風邪…引いてるん?」 ナナミちゃんは遠慮がちに口を開いた。 ここで頷くと、情けないし。 それに、雨の中帰ったから…ってなると、ナナミちゃんは自負のせいってなるかもせえへん。 「引いてないよ?」 俺は元気やで、と必死にアピールする。