゛風邪で休んだ゛とか言うたら、また笑われるやろな。

そう思い、「ただのサボり」と言った。


『ふーん。 拓、今日は家でおれよ』


突然、意味深なことを言われる。
勘づいたんかな…。


「なんでよ」


鼻声になりながらも、必死にいつもの声をだす。


『なんでもじゃよ。 じゃあな』


何のために、電話してきてん。
あー…頭クラクラする。

ベッドから出る気になれず、俺は再び目を閉じた。


ピーンポーン


家の中で響くインターホンの高い音。
マンションやから、俺の部屋まで聞こえる。


「だれやねん…」


せっかく寝てたのに。
だるい体を起こして、俺は玄関に出た。