うわっ、最悪や。
普通に寝すぎた。


「…帰ろっか」


ナナミちゃんは立ち上がると、俺の手を取り引っ張った。

何…この状況。
それに雰囲気。

目の前に立っている、ナナミちゃん。


「………」


ナナミちゃんが動かな、俺は動かれへんねんけど…。
どうしたらいいのか分からず、棒立ちになる。

すると、ナナミちゃんはふっと笑った。


「拓馬くんって、おもろいなぁ」


そう言って、ナナミちゃんはくるりと回れ右して階段をおりていった。

俺も急いであとをついていく。