そんなナナミちゃんは、手を高い位置にして俺を傘に入れてくれた。

俺は驚いて、ナナミちゃんを見る。
すると、ナナミちゃんは「行こう」と行って歩きだした。

そのペースに合わせ、俺も歩きだす。


「正門までで、ええよ」


正門を出ると、道が二手に別れている。
俺とナナミちゃんは、家が反対方向。


「でも、拓馬くんが…」


「大丈夫。俺、簡単に風邪引かんし」


そう言った直後に、正門についた。


「ありがとうな」


俺はお礼を言って、傘の外に出る。

やばい、結構濡れる。
思ってる以上に冷たい。


「じゃあ…これ使って」


ナナミちゃんはカバンから、タオルを取りだした。
俺はそれを素直に受け取り、頭に乗せる。

お礼を言って、走って家に帰った。