君の姿

立ち上がり、俺は教室を出た。
どのクラスか、あてもなく廊下を歩く。


「ちょう、待てって！　転校生な……」


「何組？」


再び力也の話を遮る。

俺がまともに話を聞かないせいか、力也はため息をついた。


「…もうええわ。隣のクラスやよ」


俺は来た道を戻り、隣のクラスに向かう。
扉を勢いよく開き、俺はドカッと足を踏みいれた。


「転校生、どいつ？」


勢いよく扉を開けたため、教室中から一気に視線を浴びる。

俺の声に誰も反応せず、教室中が静まり返った。