「そろそろ帰るわ」


立ち上がり、俺はドアノブに手をかける。


「女けぇ?」とか「ラブラブしに行くん?」とか。
わけの分からん言葉が飛び交う中、俺は部屋を出た。

力也の家から俺の家は、かなり近い。
まぁ俺はマンションやけど。


歩いている途中、ふと空を眺めた。
真っ暗な夜空には、星たちが1つ1つ輝きを放っている。

振り返って、俺はマンションとは違う方向に歩きだした。


ついた先は…中学校の裏の河川敷。
たまにここで、サボったり喧嘩してたりする。

寝ころがり、空を見上げた。

こうして、星を静かに眺めたのは初めて。
輝きなんか、気にしたことなかった。

でも、今こうして見てると…落ち着く。