「ありがとう」とお礼を言って、俺は教室に入る。
席につくと、力也がにこにこしながら近寄ってきた。


「クッキーやろ?」


「っなんで知ってん?」


目を丸くさせ、俺は机をたたく。
すると、力也は俺の机に同じ袋を置いた。


「ルイちゃんにもらった」


また、あの女かよ。

俺は無視して袋を開ける。
そして、クッキーを口に放りこんだ。


「あっ、うまい」


中々うまくて、思わず声にだしてしまう。


「ラブラブやん」


力也はニヤニヤしながら、俺がもらった袋からクッキーを取りだし、口に放りこんだ。


「おまっ、何勝手に食うてんねん!」


「っふ。動揺してら」


力也は俺の反応を面白がり、ケラケラ笑った。