…それから、俺は学校でもナナミちゃんと話すようになった。
お互いに、バーベキューのときみたいに。

一切、告白のことには触れずに…。


「あっ、拓馬くん。 ちょっと来て」


廊下を歩いていると、ナナミちゃんに呼び止められた。


「先に、戻っとくね」


隣にいたあの女は、ナナミちゃんに一声かけて歩きだした。


「何?」


「さっき、家庭科やってん。
 よかったら、これ……」


出来たてであろう、温もりのある袋を手渡される。
中身を開けると、クッキーが入っていた。