「いきなり、ごめん。
 …でも、好きになってしまってん」


ナナミちゃんは、両手で顔を覆う。
俺は何も言えずに唖然となる。


「拓馬くん…優しいし。
 それにな、一緒におったら楽しい。
 …って、あたし何言うてんやろ」


ナナミちゃんは、耳まで真っ赤になっている。
それを見て、ふいにかわいいな…と思った。

外見とかじゃなくて、そうやって頑張ってるところが。


「…あっ、だから考えてほしい。
 あたしのこと知らんまま、振らんとって…」


ナナミちゃんは顔をあげると、真剣な眼差しで俺を見た。