すると、その子は両肘をついて俺を見た。


「さっき、この机組み立ててたやろ?
 そういうのって、意外やなぁと思って。
 ……かっこいいなぁと思って」


その子は最後の方を、少しにごらせた。
でも俺は、聞き逃さなかった。

その子は頬を赤らめ、俺から目を逸らす。
とたんに俺まで恥ずかしくなった。

かっこいいとか、言われたし…。
えっ、どう反応すればいいん?

俺が黙ってその子を見ていると、再度その子は口を開いた。


「っあたし、隣のクラスのナナミ」


「…あ、うん」


「あの、拓馬くん……って呼んでいい?」


「…あ、うん」


俺はあほみたいに同じ言葉を返す。
なんか、俺が動揺してしまってる。