君の姿




準備は着々と進み、野菜や肉を焼き始めた。


「゛ルイ゛って名前、かわいいなぁ」


早速、ハジメくんは口説いてるし。
やれやれと呆れながら、俺は肉を口にした。


「なんか、尾上くんのイメージ変わるわぁ」


真横から、呟くような声が耳に入る。
自分の名前につい反応して視線を向けると、向かいの席で1人の女が座っていた。


「あっ……聞こえてた?」


聞こえてたってか…今の独り言なん?
俺は頷いて、再び座り直す。


「悪い意味、ちゃうねんで。
 …なんか、尾上くんって゛喧嘩゛ばっかりのイメージやったから」


悪いけどさ、いい意味に聞こえへん。
俺は首を傾げ、「どういう意味?」と聞き返す。