君の姿




後ろからは、陽気な力也と独特なしゃべり方のあの女の声が聞こえてくる。


「これ、行き道に買ってきたよ。
 手ぶらは悪いと思って…」


「そんなんええのに。
 わざわざ、ありがとうなぁ。
 拓馬! お前の好きなもんあるわ」


突然、自分の名前を呼ばれる。

何持ってきたんやろ、酒か?菓子類か?


後ろをチラッと見ようとしたが、慌てて視線を机に戻した。


…何でもええやんけ。
持ってきたもんに、反応してしまったし。