俺はルイに拳をつき出す。
すると、ルイも自分の拳をつき出して俺の拳にコツンと当てた。
その瞬間…俺は、ルイを抱き寄せた。
「えっ……た、拓馬?」
ルイはきっと、驚いてるやろな。
だが。俺は気にせずに口を開いた。
「…別に俺、ともだちになりたいとか思ってないから」
俺はルイにとって、゛ともだち゛よりも、もっと近い存在になりたい。
「つらいんやったら、泣けや。
話聞いたるから、俺に何でも言え。
…すぐに行くから」
゛好き゛とは言わない。
でも、曖昧な言葉を俺は並べた。
「…っふ。なにそれ、バーカ!
めっちゃ、ともだちやん」
ルイは、俺から離れて俺の頬をつねる。


