梅雨が明け、本格的に夏を迎えた。
扇風機の風に当たりながら、ガキみたいに向かって叫ぶ。


「チビはガキやなぁ」


ルイは呆れながら隣に腰をおろした。


「うっさいなぁ」


きれいに伸びたルイの黒髪が、風になびく。
さらさらと揺れる黒髪を、俺はくしゃっとした。


「お前…髪の毛きれいな」


さらさらと指の間を通り抜ける。


「なっ、いきなりなに!?」


ルイは驚いたのか目を逸らす。

…っなにしてんねん、俺。

自分のした行動に、自分自身も驚いた。
今の俺、絶対変やったでな?