そして振り向かずに、妙な言葉を残した。


「今のは、お前の気持ち」


そう言って、ベランダから姿を消した。

1人取り残され、俺は頭を悩ます。


…なんなん、俺の気持ちって。
もしかして、俺がドキドキしてるのが…バレてる?

自分でも、よう分からん。
なんでドキドキすんねやろ。


「なんか、こう…ドキドキするんすよね」


数日後、龍がカケルに女の話をしていた。
そこに俺は真っ先に食いついた。


「どんな感じで!?」


俺が急に食いついたことに驚いたのか、2人は目を丸くさせた。