「熱々やな」


頭の上からふってきた、声。
上を向くと力也が立っていた。


「た、たばこ?」


俺は必死に平然を装う。


「べっつに~」


先ほどと同じような調子で力也は言う。

俺の声、聞こえてた?
もしかして会話…聞かれてたんかな!?

力也は、たばこに火をつける。
…吸い終わると同時に再び口を開いた。


「俺…ルイのこと好きや」


「はぁっ!?」


力也は突然、そんなことを口にした。
それになぜか動揺してしまい、声が裏返る。


「っふは。冗談じゃよ」


力也はケラケラ笑って、ベランダの扉に手をかける。