校門の桜が満開に咲く頃。 俺は、中学2度目の春を迎えた。 「拓馬、うぃーす」 教室の扉を開けると、俺の名前を呼ぶ力也の声が1番に耳に入った。 こいつとは、昔から仲良い。 俺は適当に返事して席についた。 眠た…。 昨日、遊びすぎたかな。 「寝るんけぇ?」 机に顔を伏せた直後に、頭の上から降ってきた言葉。 逆に、お前は眠たないんか? 力也も一緒に遊んでたやん。