線香花火~キミと僕を繋いだ紙飛行機~



 あ、紙飛行機。

「今日は、出かけないのかい?」

「え?」

 おばあちゃんが廊下を渡りながら突然そう言った。

「いつも6時に家を出て行くじゃないか。」

 おばあちゃんはよく見てるね。

 お母さんも弟も何も言わないのに。

「行くよ。」

「そう。行っておいで。今日は冷えそうだから、速めに帰っておいで。」

 家にこんな優しい言葉をかけてくれる人がいるだけで、家に早く帰りたくなる。

 おばあちゃんだからなのか分からないけど、とっても安心する。

「うん。」

 廊下の横にある階段を駆け上がって、自分の部屋に行く。

 鞄を置いて、制服からTシャツに着替える。

 階段を下りながら、おばあちゃんに言う。

「言って来る!」

 そういうと、「いってらっしゃい。」と、いう声が聞こえた。

 俺はその声を聞いて、家を飛び出す。