線香花火~キミと僕を繋いだ紙飛行機~



「何、ぼーっとしてるの?」


 俺の前に突然姿を現したのは。


「奏華先輩。」


 美人先輩、奏華先輩だった。


「二人は?」

 
 微笑みながら、話しかける奏華先輩。

 ほんとに柔らかい人だ。


 奏華先輩がいう、「二人」とは誠也と優希のこと。

「二人なら、あそこにいます。」

 通学路の前を指差す。

 そこには途中にある、バス停のベンチに座ってる二人。

「置いてかれたの?二人に。」

 くすくす笑いながら話す奏華先輩。

「違いますよー。走る元気が無いだけです。」

「ホントに火志君は本気、出さないよねー。」

 奏華先輩に気づいた優希に手を振りながら、淡々と話す。

「え?」

「違う?なんでも、面倒くさそうにやってるように見えるよ。」

 先輩が顔を覗き込みながら言う。

「・・・」

 先輩の言葉に返せなかった。

「少しは楽しんだりしたらいいのに。
 もったいないよ。」

 先輩は、俺にそう言って優希のもとへ走っていった。