僕は、水で湿った壁に道具を突き刺した。




 ボロボロと壁が剥がれてくる。



「あれ?」



 ドアに一番近い壁紙を剥がしていたジャスティンが、素っ頓狂な声をあげた。




「どうしたんだ?」



「これ、見ろよ」




 彼に言われ、僕は手を止め、隣の壁紙を見た。



「!!」



 ジャスティンが剥がした壁の奥に、赤い何かが見える。



「これ…?」



「わかんない。けど、何かがあるんだよ。この奥に!」