残念少年と男前少女。


「………天空の城が見えたので追いかけに来ただけです。」


「なん…だと…!!!!」




そう言って、わざとらしいくらいに大袈裟に探す部長。

冗談で探しているように見えなくもないが、この人の場合、多分ガチだ。


だって、どこの世界に、冗談を冗談で返すためだけに、窓の桟に足をかけて外を覗き込む頭があれな人がいるんだ。


もしそうなんだとしたら、冗談にどんだけ命かけてんだっていう。
少しでもバランス崩したら死ぬぞ、絶対。




………いや、ちょっと待てよ。

本気で信じてそんなことしてる方が、よっぽど頭があれじゃねぇか。


どっちにしてもあれだけど、とりあえずどちらか確かめなければ。



だって、前者はあれだとは思うけど、ギャグにそこまで命かけられるなら僅かながら尊敬するもの。

後者とか残念なだけだもの。



「……部長。」




「あ、なんだよ。
今天空の城探してんだから後にしろ。
……れいれい、どの辺りで見たんだ?」




後者だったー!!!!

ただの残念だったー!!!!!