残念少年と男前少女。


そう言ったら、頭をはたかれた。

「先輩にキモいとか言うなよな、ばか」

「すんませんでした。
ゆーり先輩には言うっすけど。」

「あっそ。ゆーりにはばんばん言ってやれ。
あいつドMだから。」

「まじっすか?キモッ。」


ケラケラと笑ってると、背中をさわり終えた先輩が、ん、と何かを差し出して来た。


「なんすか。これ。」

「みりゃわかんだろ。
湿布だ湿布。
腫れてんぞ、背中。」


え!?と、驚きで目を丸くすると、鼻で笑われた。
なんだこいつ。同級生だったら殴ってる。


「おい、今なんか思っただろ。」


ジロリとにらまれて、あ、前言撤回。殴れないわ。と心の中で呟いた。


「とんでもないっす。
あざまーした!」


そう言って、踵を返した。