「おー、もげろもげろ。」
そう言ってさらに、腕に込める力を強くする。
ちょっと、もう、本気で背中痛いんだけど!
やめろクソボケエロハゲチャラ男ぶちょー!!!!!!!!
思い付くだけの悪口を心の中で叫んで、そのまま部長を睨み付ける。
「……いい度胸してんじゃねーか。」
ひくり、と頬を痙攣させながら笑う部長。
青筋たってますって!
いや、でも今はそんなことより背中だ!
めっちゃ痛い!
すっごい痛いって!
痛みに顔を歪ませると、それに気付いたのか、部長は少しだけ力を緩めた。
「あ、ごめんごめん。
力強すぎた?」
悪い悪いと繰り返す部長は、絶対悪いだなんて思っていない。
くそっ…
背中とお尻さえ痛くなければ飛び蹴りをかましてやるのに…!!
「……まぁ、なんだ。
わざわざ呼び止めたのは、こんなことを言うためではなくてだな。
なんというかだな。」
急におとなしくなった部長は、私をつかんでいない方の手で照れたように頬をかいた。
(あの)部長が(私相手に)照れている…!!!
普通の人なら甘いラブ的な雰囲気になるこの状況も、私と先輩がしているとなると、最早ギャグにしかならない。
