「なんでもないよっ!」 「そうなの?」 唯は凄く赤い顔に手をパタパタと扇がせて冷ましている。 その姿がなんかかわいい。 「唯は、俺のこと好き?」 「…言わなきゃダメなの?」 「うん」 唯はすこし息を吸った。 「好きだよ。大好きだから…薫がいなくなっちゃうのは嫌なの」 「…そっか」 唯の本音が聞けるのは今日だけかも。 思う存分聞いてあげよう。