「ね〜、リク〜ぅ」

「何だよ?」

「ちょっと、聞きたいことがあるんだけど」

私は、前を歩くリクに話しかけた。

「何?」

「私たちさ、出発するとき、隠れ家から、
色々荷物持ってきたけど…いいの?」

「ああ。隠れ家の主に許可は得てる。
てかさ、オレたち、何も持ってねーのにさ
あそこから食料や日用品、
ココの金とか持ち出さねーと、
飢えてすぐに行き倒れるぜ?」

「ぐ。た、確かに…。リクの言う通りだわ。
まぁ、許可あるなら、いいか。」

「そうそう。そうだ。言い忘れてたけど…。
ココって、パラディア国って言うらしい。
んでもって、オレたちみたいに
記憶がねーヤツのことを、
“記憶の旅人”って言って、
記憶の旅人は、国のなかのエリアは
フリーパスで通行できるんだってさ。
記憶の旅人は、パラディア国民から見ると、
額に紋章があるらしくて、それで、
記憶の旅人って判断するらしーぜ。」

「でもさ、リクの額、紋章なんてないよ?」

だーかーらーっ、記憶の旅人同士は
額の紋章なんて見えねーんだよ。」

「あ、そっか。パラディア国民だけなんだ」

「そ。さぁ、もうすぐ次のエリアに着くぜ。」

「うん!楽しみだな〜っ!」