休憩所で一夜を過ごし、
私たちは、トゥルーエリアの隣にある、
セントエリアを目指すことにした。


「さぁ、行くか。
ユメ、今日はトリップすんなよ?」

「うん、行こう!
は~い。努力しまぁす。
ねぇ、リク?
リクは、私と出会うまで、
一人で過ごしてたの?」

「ん、なんだまた、急に。
でも、そうだな。
ユメに会うまでは、一人だった。
ただ、オレも、この世界に
来た当初は、隠れ家の主と一緒だった。
隠れ家の主も、記憶の旅人で、
オレが来てすぐに、消えた。
そこから、ユメに会うまでの
3ヶ月間は、一人だった。」

「そうだったんだ。
ねぇ、隠れ家の主さんは、
どうして隠れ家とか、食材とか、
この世界のお金とか、持ってたの?」

「主は、もう長い間、
記憶の旅人として、
この世界にいて、
いつからか、旅をやめて
隠れ家を建てて、
住むことにしたんだと。
で、そこで、畑作ったり、
商売したりしたらしい。」
「リク、私たちも、
いつかは旅をやめて、
家を建てたりするのかな?
消えるって、死ぬってこと?」

「わかんねぇ。ま、今は、
旅を始めたばかりだし、
そのうち、何か
わかってくるだろ。
大丈夫だって。
オレはユメをおいて、
消えたりしねーからさ。
それより、ユメこそ、
あんまりトリップしたり、
消えたりすんなよな」

「ふふ。リクったら、
さみしがり屋さんなんだから~!」