『オレ、もう一個貝殻ほしいんだけど、一緒に探してくんない?』


『いいよ』

そして私達は巻き貝を探し始めた。

五分後、嬉しそうな顔をした荘太が私の前にやってきた。


『見つけた』


荘太の手には、薄青色の小さな巻き貝があった。

『青だね。』

『だね。』

『良いな……』


つい漏れてしまった一言。


何か恥ずかしい


『じゃあこっちやるよ』

差し出された手には、さっきの薄ピンク色の巻き貝があった。


『えっ……いいの?』


『いいよ。ピンクなんて女々しいし。』


『ありがとう。』

やった♪
そんなことをしてると、日がくれて海が赤く染まってきた。


『ワタシかえるね。今日はありがとう。』


『大事にしろよ。じゃあな』


そして1日が終わった。

その日からワタシの夏休みが大きく変化することを、ワタシはまだ知りもしなかった。