「…んっ」

アリスが目を覚ますと、そこはさっきまでいた図書室ではなく、 見渡す限り真っ白な世界。

「どこ…?ここ。」

見たこともない場所でした。

連れてこられた事よりも、ここがどこなのか知りたくて、アリスはきょろきょろと辺りを見渡しました。

「何もな…ん?」

ふと、アリスが足元を見ると黒く太い線が引いてありました。

目でそれを辿ってみるとそれは文字のようで…

「……はじまり、はじまり?ってもしかして…?!」

さっき開いた不思議な本にも書かれていた文字。

「もしかして、本のなかに来ちゃったの!?」

アリスの驚きの声が響き渡ります。

するとそれに答えるかのように「はじまり、はじまり」の下に「Yes」と書き込まれました。

「か、勝手に文字が!」

アリスは驚きの連続です。

「誰がこんなこと…」

けれどその問いに文字が書き込まれることはなく、代わりに文字ではなく「Open the door 」と刻まれた扉の絵が描かれました。

「開けってことよね…。」

扉が「開けて」そう言った気がして、

「よし。」

そう意気込むと、アリスは扉の前に座り扉に触れました。

ほんの少しだけ触れた扉は、ギィーッと重たい音を立て扉から漏れた白い光がアリスをまた、包み込みました。