天使⇔悪魔

「…何もすることがありませんね。」
 
 
「うん。」
 
 
「…………」
 
「……………」
 
「………………」
 
 
「…………………あっ!」
 
 
長い沈黙の中、私が声を上げた。
 
 
「そうだっ、黒魔!」
 
 
「何ですか?」
 
「花火やろっ!!」
 
 
「花火ですか……夏ですし、良いですね。やりましょう。」
 
 
 
「よーし、そうと決まったら早速、花火買いに行かなきゃね!」
 
 
「そうですね。
行きましょうか。」
 
 
 
「うんっ!」
 
 
「…それでは、僕に掴まって下さい。」
 
 
「えっ…。乗せてくれるの?」
 
 
「はい。その方が速いですし……嫌でしたか?」
 
 
「ううんっ…全然嫌じゃない!」
 
 
「そうですか、良かった。
それでは行きましょうか。」