君に恋した理由。

「…とりあえず中入りなよ。
風邪引くぞ。」

「……うん。」



「美桜…俺、分かんないんだ。梓さんの
事が。」

「…えっ?」

「…たぶん好きとかそうゆう感情
は……ないと思う。」

「…じゃあどうして!?どうして
お姉ちゃんと付き合うの?」

「ほっとけなかったんだ。梓さん今
仕事とか上手くいって無かったみたいで
すっげー落ち込んでた。…前に偶然
会ったんだよ。梓さんビルの屋上にいて…」

「……自殺しようとしてたんだ。」

「……えっ!?」

お姉ちゃんが自殺?…嘘でしょう?
お姉ちゃん…そんなに悩んでたの?
今日は混乱してばっかりだ。

「梓さんとは美桜と一緒に小さい頃から
仲良かったし、…そんな梓さんが死のうと
してるなんて…俺、ビックリして…
とりあえず急いで階段登って梓さんを
止めたんだ。そしたら梓さん…
急に子供みたいに泣きはじめて…
"助けて"って言ったんだ。何度も何度も。
そんな梓さん見てたら、…俺が助けなくちゃって
思って…付き合う事にした。」