君に恋した理由。

私はひたすら走り続けた。

ただひたすらに。

あぁ雨が降ってきた。
でも家には帰りたくないな。
…お姉ちゃんと会いたくない。

私は走るのを止めた。

気づいたら拓哉くんの
家のドアの前に立っていた。

本当に拓哉くんとお姉ちゃんは
付き合うの?
拓也くんはお姉ちゃんのこと
好きだったの?
…分かんないよ。もう。

でも、確かめたい。

ピーンポーン

「はい…美桜!?びしょ濡れじゃないか!
どうしたんだよ!」

「……拓也くんお姉ちゃんと
付き合うの?」

拓也くんが困った顔をして
うつむいている。