君に恋した理由。

トントン。

「はーい。どうぞ。」

「…美桜。」

私の部屋に入ってきたのは
……お姉ちゃんだった。

「…どうしたの?」

「ごめんなさい!!ごめんなさい!!
本当にごめんなさい!!」

「えっ……!?」

「私………美桜にひどいことしたね。」

「美桜が拓也が好きなこと知ってたのに
…私…自分の事しか考えてなくて…
美桜に辛い思いさせたね…。ごめん。
でもね……拓也が私の事好きだった事
なんて一度もなかったの…。」

「………?」

「……私はただ誰かに傍で私を
支えてほしかったの。自分勝手で
ごめんね…。だけどね拓也はいつだって
私じゃない…違う人の事を考えてた。
その誰かはいずれ分かる。
美桜……本当にごめんなさい!!」

お姉ちゃんは泣きながら私に

何度も謝った。何度も、何度も。

「お姉ちゃん…。」


「許してくれなくても良い。だけど
1つだけお願いしても…良い?」