私はただひたすら
歩いた。歩いて、歩いて、歩いて。

たどり着いた場所は
…ビルの屋上だった。

もう良いや。
死んでしまおう。
きっと死んだら楽になるよね?
仕事も、勉強も、争いも。
なにもしなくてもいい。
お父さん、お母さん、美桜…
今までありがとう。
…さようなら。

「はぁ、はぁ、梓さん!!」

…あれは拓也?

「死んだら駄目です!!降りてください!」

「…いいから。もう放っといて。
誰も私を必要としてないの。もう、
生きてる意味ないの!」