夕日の赤に染まった道を私達は、2人で歩いていた。

くだらない世間話や、毎朝のケンカの事などを話しつつ。


しかし、私はその傍らで、必死に悩んでいた。


(お礼言うべきかな…でも…)



悩んだ末、私は歩みを止め、鞄を両手で強く握り直した。


「ねぇ」


一瞬、指から何か離れた気がした。